カルピティヤ

概要

スリランカ北西部に位置する、アジア随一のフラットウォーター天国である。内戦期には密輸が行われるような辺境の漁村であったが、カイトサーフィンの伝来により劇的な進化を遂げた。2005年当時は滞在施設すら存在しない空っぽのラグーンだったが、現在ではポサーダ(宿泊所)や高級アパートメントが立ち並ぶ一大カイト村へと変貌している。特に、現地の起業家DilとLeoがゼロから手作りで築き上げたエコリゾート「Kitesurfing Sri Lanka」などは、世界中のバックパッカーやプロが集う熱狂的なコミュニティゾーンとなっている。スリランカ国内でテロ等の危機的状況が発生した際にも、ローカルコミュニティとプロライダーたちが結束して安全性を確保し、ポジティブなバイブスを保ち続けてきた歴史を持つ。

風のシーズンとローカルの生活

メインシーズンは、南西モンスーンが吹き荒れる5月15日から10月15日である。かつてこの時期は海が荒れて漁に出られず、漁師たちは無為に過ごすしかなかった。しかしカイトサーフィンの普及により、彼らはインストラクターやレスキューボートのスタッフとして雇用されるようになり、漁業を凌ぐ収入を得て村の経済は一変した。現在では夏のシーズンだけで約5億ルピー規模の産業を生み出している。
また、12月末から2月末にかけては北東モンスーンが吹くセカンドシーズンとなり、北半球の冬の避寒地として人気が高い。ハイドロフォイルと大型カイトを活用すれば、ほぼ年間11ヶ月にわたりセッションを楽しめる稀有な環境である。

主要ゲレンデ(フラットウォーターとウェーブ

  • カルピティヤ・ラグーン巨大な砂州に囲まれた遠浅のメインスポット。チョップが一切ない鏡のような超フラットウォーターで、初心者からプロのフリースタイルトレーニングまで完璧な環境が整っている。
  • カパラディ(Kappaladi):カルピティヤにおけるカイト開発の初期拠点となった小さなエリア。メインより混雑が少なく静かに乗ることができる。
  • ヴェラ島(Vella Island):ボートで遠征する無人島。強風下でも水面が「水たまり」のように平らになる世界最高峰のフラットウォーターゲレンデであり、プロライダーがこぞって新トリックの撮影に訪れる伝説の場所である。
  • ドンキーポイント(Donkey Point):フラットなラグーンから外海(西側)へ数分移動した場所にあるウェーブスポット。インド洋の荒波によるクリーンなサイドオンショアの波が入り、ストラップレス・フリースタイルやウェーブの練習に最適である。

カイト製造の心臓部としてのスリランカ

ゲレンデの素晴らしさに加え、スリランカは世界のトップカイトを供給する「製造の心臓部」でもある。国内には2つの巨大なカイト工場が存在する。「GSL(Global Sports Lanka)」は業界のメガブランドであるDuotone(デュオトーン)の製品のみを独占的に製造する完全なクローズド・ショップである。一方の「Aqua Dynamics(アクア・ダイナミクス)」では、NorthCoreEleveightなど主要な競合ブランドのカイト製造を一手に引き受けている。世界のカイト市場の品質は、スリランカの卓越した技術によって裏から支えられているのである。

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