ヤルー・ランゲレー

概要

「I like to say and think that I live in the moment. The easiest way to get into that zone is when I’m riding waves, all my other distracting thoughts disappear to the background and I feel one with the element. That’s my key to enjoyment.」

ヤルー・ランゲレー

ヤルー・ランゲレー(Jalou Langeree)は、オランダノールトウェイク出身のプロカイトボーダーであり、ウェーブ界を代表する絶対的女王である。3度の世界王者に輝いたケビン・ランゲレー(Kevin Langeree)の実妹であり、カイトサーフィン界で最も有名な「ロイヤル兄妹(Sibling duo)」として世界中で愛されている。12歳の時、カイトボードに熱中する兄に刺激されて自身も海へ入り、オランダの過酷な北海で牙を剥く風と波に挑むことで強靭なメンタルを培った。本国オランダでは国民的な知名度を誇り、2016年には人気サバイバル番組「Expeditie Robinson」への出演経験も持つ。

キャリア

ヤルーは14歳で国内タイトルを獲得し、オランダ選手権を7連覇させたフリースタイルの天才であった。しかし、本番では極度のプレッシャーと緊張(competition anxiety)に苛まれ、PKRAのワールドカップでは表彰台に登るものの、年間王座には届かない日々が続いた。

2011年、フリースタイルへのモチベーションを失った彼女はコンテストから一時身を引き、ツインチップボードとストラップを完全に捨て去り、ピュアなサーフボードで波に乗る「ウェーブライディング」への転向を決断する。これが彼女にカイトを始めた当初の純粋な喜びとアドレナリンを呼び覚ました。転向からわずか1年後の2012年、KSPワールドツアーに電撃参戦して初年度で初代世界女王に輝き、その後2015年、2018年と合計3度の世界チャンピオンを獲得している。

彼女のプレイスタイルは、波のポケットでの非常にアグレッシブかつクリーンで流れるようなターン(Flow)が特徴であり、GKAの解説陣からも「女性カイト界最高のウェーブライダー」と常に圧倒的な評価を受けている。

スポンサー・所属ブランド

長年にわたりNaish(ナッシュ)やNorth(ノース)といったトップブランドのライダーとして活躍し、兄ケビンと共に世界のカイトボードシーンを力強く牽引してきた。

パーソナリティと交友関係

兄ケビン・ランゲレーと共に最強のロイヤルファミリーを形成しているだけでなく、ビッグエアレジェンドであるルーベン・レンテン(Ruben Lenten)とも従兄弟関係にあるなど、カイト界屈指の血統を持つ。

また、女性のストラップレスライダーたちと共にヨットで旅をするドキュメンタリー映画『118 Feet of Freedom』のメインキャストを務めるなど、女性ライダーの連帯やシーンの牽引にも大きく貢献している。

名言・エピソード

カイトに対する揺るぎないモットー

「The only way to get better is to practice and give it your everything. Do it with joy so it comes naturally.」

—ヤルー・ランゲレー

2012年:カボベルデ大会での初代女王決定戦
ハワイのムーナ・ホワイトと、初代ワールドウェーブタイトルの命運をかけた歴史的な決勝ヒートで対決。カボベルデの強力な波に対してソリッドなボトムターンを見せ、見事に初代女王の座を勝ち取った。

2018年:ブラジル・プレア大会での覚醒
波乗りのスペシャリストであるヤルーにとって、フラットウォーターでの「ストラップレス・フリースタイル」は最大の苦手種目であった。しかし、大会の10日前に現地入りして盟友らと猛特訓を重ね、フリースタイル女王のカルラ・エレラ・オリアを破って優勝し、年間王座を一気に引き寄せた。以下は、その際の彼女のコメントである。

「Strapless freestyle isn’t my main discipline and Carla is pretty much the freestyle queen on tour. The training really paid of I felt like everything just felt together my mind set was great and I was very focused」

—ヤルー・ランゲレー

GKA モーリシャス(Bel Ombre)大会での完全支配
現地のローカルヒーローであるニーニャ・リコットが7ヒート連続で勝ち上がるという奇跡の快進撃を見せるなか、ヤルーは決勝で一切の容赦をしないパワフルなマニューバーを次々と描き、世界の絶対女王としての貫禄を見せつけて優勝を飾った。

大会結果

2012年:KSP ワールドウェーブチャンピオン
2015年:ワールドウェーブチャンピオン(モロッコ・ダフラ大会優勝など)
2018年:GKA カイトサーフ・ワールドチャンピオン(ブラジル・プレア大会、オーストラリア・メルボルン最終戦優勝など)

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