Tom Bridge(トム・ブリッジ)

概要

「トムみたいな奴は他にいないね。みんながスタイルの話をする時、俺は『トム・スタイル』の話をしてから、フリースタイルだのビッグエアだのスライダーだのパークだのの話をするんだ。あいつ自身がひとつのスタイルなんだよ。それくらい独特ってことさ」

コリン・コリン・キャロル

トム・ブリッジ(Tom Bridge)は、イギリスエクスマス出身のプロカイトサーファーである。カイトボード界で最も成功を収めている「ブリッジファミリー」の末っ子であり、枠に囚われない革新的なスタイルと独自のトリックで知られる業界屈指のイノベーターとして活躍している。海外のポッドキャスト等でも「現代カイトボード界における最高の異端児であり天才(通称:Steezy Wonder)」「たった一人でGKAの採点システムを破壊し、ルールブックを書き換えさせた男」として熱狂的に語り継がれている。

キャリア

ジュニア時代から圧倒的な実力を誇り、フリースタイルのジュニア世界チャンピオンに2度輝いた。Red Bull King of the Air(KOTA)には、2018年大会において16歳という若さで出場し、当時のKing of the Air史上最年少の競技者として公式実況で紹介された。元々彼は本戦のリストには入っていなかったが、家族の不幸により急遽欠場したオーレリアン・ペトロウ(Aurélien Pétreau)の代役として白羽の矢が立った。大会当日の朝にケープタウンへ到着し、ウェットスーツ姿で飛行機から降りてきたという噂があるほど、伝説的かつ破天荒な最年少デビューを飾っている。

「Tom Style」とGKA採点システムの書き換え

フリースタイルの競技において、彼は当時の「カイトを低く保ってパスを回す」という画一的な型にはまることを明確に拒否した。あえてカイトを少し高く上げ、誰も思いつかないような奇妙な軸の回転(weird axis rotations)などを組み合わせ、「Tom Style」という孤高のジャンルを確立。通常は前を向いて踏み切るのが常識とされる中で、「ブラインド(後ろ向き)の状態から水面を蹴って飛び上がる(popping from blind)」という狂気の技術をコンペティションに持ち込んだ。

約6年間の競技ブランクを経て、GKAフリースタイルのブラジル大会(タイバ)に復帰した際、当初は彼の誰もやったことのないトリック(NBDs: Never Been Done)が既存の規定する「トリックファミリー」に当てはまらず、カイトの位置が高すぎるという理由で審査員から不当に低いスコアをつけられた。

しかし彼は周囲からの批判を無視し、ひたすら自分の唯一無二のスタイルを貫き通した。結果的にハードコアなファンたちを熱狂させ、自らのライディングを「否定できないもの(undeniable)」へと昇華させた。その圧倒的な人気と技術の前にGKA側が折れ、ブラジル大会以降、フリースタイルの採点基準を完全に刷新(オーバーホール)。彼のような連続技を評価するための「コンボ(Combos)」スコアを導入し、ブラインド・テイクオフや革新性に高いポイントを与えるルールへと書き換えられた。新ルールが適用された大会で、自らのためにルールが変更されたという凄まじいプレッシャーの中、見事3位表彰台を獲得するという劇的な結末を迎えた。

スポンサー・所属ブランド

11歳の頃からRed Bullのアスリートとしてスポンサードを受けているほか、Porsche(ポルシェ)のサポートも獲得している。カイトブランドの遍歴としては、旧North Kiteboarding(現在のDuotone)からCabrinhaを経て、現在は新体制のNorth Kiteboardingのインターナショナルチームライダーとして活躍している。

パーソナリティと交友関係

両親がイギリスのエクスマスで「Edge Water Sports」を経営しており、母親のStephはレーシングの世界チャンピオン、兄のGuyとOllieもプロツアーでトップレベルの成績を残すという生粋のカイトサーフィン一家で育った。スケートボードのバックグラウンドがあり、それがブーツ着用時の着地技術やボードコントロールの基礎となっている。キャリア初期にはAaron Hadlow(アーロン・ハドロウ)のトレーニングキャンプに参加しており、彼をインスピレーションの源として尊敬している。

名言・エピソード

「GKAはあいつのためにジャッジと基準を書き直したんだ。スポーツ界じゃ前代未聞だろ? 想像してみてよ、例えば身長178cmのバスケの天才が現れてさ…NBAがルールを変えて、その『スティージー・ワンダー』のために基準を作り直したようなもんさ」

—コリン・コリン・キャロル

「ぶっちゃけ、あんまり好きなわけじゃないんだ。でも、断れないようなことってあるじゃん。もしチャンスがあるなら、やらなきゃいけない。俺も、まあ、行ってやるしかないって感じでさ。ほんと、ただのネタ作りのためだよ」

—トム・ブリッジ

「できるだけ早くメンズのPKRAツアーに出たいな。でも、まずは学校を卒業しないとね。学校って、こういう大会に行くのをいつも許してくれるわけじゃないからさ」

—トム・ブリッジ

大会結果

フリースタイル ジュニア世界チャンピオン(2回)

イギリス フリースタイル チャンピオン

Red Bull King of the Air 出場(2018年・当時16歳で史上最年少記録)

GKA Freestyle ブラジル(タイバ) 3位

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