ポート・タック

ポート・タックとは、カイトサーフィンおよびセーリング競技において、進行方向に向かって左側から風を受けて進む状態のことである。カイトサーフィンにおいては、左手が前(進行方向)を向いている状態を指す。

海上での衝突を防ぐための基本ルール(ライト・オブ・ウェイ)において、ポート・タックのライダーは、スターボード・タック(右側から風を受けている状態)のライダーに対して進路を譲る回避義務を負う。

「ポート」の語源

「ポート(港)」という名称は、昔の船の構造と接岸方法に由来している。かつての船は船尾の中央に舵がなく、右側に操舵用の板(Steer-board = スターボードの語源)を取り付けていた。右舷を岸壁につけるとこの大事な舵がぶつかって壊れてしまうため、船は接岸時に必ず「左舷」を港(岸壁)側に向けていた。そこから、船の左側そのものを「ポート(Port)」と呼ぶようになった。

ポート・タック・スタート

レース競技においては、「ポート・タック・スタート」という戦術が存在する。多くの選手が進路優先権を持つスターボード・タックでスタートラインに並ぶ中、あえて逆のポート・タックでスタートを切るアプローチである。他選手をすべて避けなければならないため極めて危険を伴うが、スタートラインの風向の偏りを利用して有利な風上へのラインを確保できる利点がある。さらに、風上マークまでのタック回数を減らせることや、混戦を避けてクリアな風をいち早く掴めるといったメリットもあり、状況によっては非常に有効な戦略となる。

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