Cold Hawaii Games 2020

概要

コールド・ハワイは最高だ。ここが大好きだし、再び1位になれて嬉しい。コンディションは過去最高だった。朝は土砂降りで風も弱かったが、一日の終わりには素晴らしい状態になった。親友2人とファイナルを戦えたことも幸せだ」

ケビン・ランゲレー

Cold Hawaii Games 2020は、カイトボード界においてビッグエアイベントの「第3のメジャー大会」としての地位を確立した歴史的な初代大会である。パンデミックの影響により世界中の大会が中止となる中、奇跡的にリアル開催された。本大会の勝者には、南アフリカのケープタウンで開催される世界最高峰の大会「Red Bull King of the Air 2021」への本戦出場権(ワイルドカード)と現地への航空券が授与されるシステムとなっており、極上のゴールデンチケットを求めて世界トップクラスの選手と注目の若手ライダーが集結した。

開催地とコンディション

開催地は、デンマーク西海岸の小さな町Klitmøller(クリットモラー)である。ここは美しい岩礁(リーフ)があり、波が非常に良く、ケープタウンに似た強力な風が吹くスポットである。ハワイのように最高の波と風があるが、「ただひたすらに冷たい(freaking cold)」ことから「コールド・ハワイ」と呼ばれている。

当初は40ノットと2.5メートルの波というストームが予報されていたが、当日の朝は土砂降りの雨で約20ノットの弱めの風にとどまった。その後、風は安定した30ノット(最大で30ノット台半ば)まで強まったものの、ファイナルが行われた時間帯には南西からの不安定な風となり、20〜25ノット前後の短い突風が連続するトリッキーなコンディションへと変化した。

フォーマットと出場選手

この2020年大会は、カイトボードがCold Hawaii Gamesに組み込まれた最初の年であった。大会のコンセプトは、ニック・ヤコブセンをフロントマンに据え、数名の絶対的なレジェンド選手と、売り出し中の若手「ニューキッズ」たちを招待して戦わせ、若手にビッグステージの経験を積ませるというものであった。

大会は全4ラウンドで構成され、ラウンド1のヒート勝者はラウンド2を免除され、ラウンド3へ直行するフォーマットが採用された。審査基準はジャンプの高さ70%、極限度(エクストリミティ)30%に設定された。出場者にはケビン・ランゲレー、ニック・ヤコブセン、ラッセ・ウォーカースティグ・ホフナゲルスティーブン・アッケシュダイククレメント・ウオットシモン・ブルーンジェイミー・オーバービークなどが名を連ねた。なお、活躍が期待されていたトム・ブリッジは、ヒート開始わずか1分前のウォームアップ中に膝を負傷し、無念の棄権となっている。

ハイライト・名勝負

ハードなコンディションの中、数々のドラマが生まれた。大会を通じてライディングレベルと審査基準の「トーンを決定づけた」のは、当時わずか15歳の神童ジェイミー・オーバービークであった。第1ヒートの開始早々から信じられないほどの高さと極限のメガループを披露し、若手の台頭を強く印象づけた。

また、若手新鋭のシモン・ブルーンはローカルヒーローのニック・ヤコブセンと対決し、戦略的なライディングで勝利を収めた。敗れたニック・ヤコブセンは以下のように語っている。

「何が起きたのか分からない。風がトリッキーで、9平米ではなく10平米を使いたかったが、これもゲームの一部だ。勝つ時もあれば負ける時もある」

—ニック・ヤコブセン

オランダ出身のスティグ・ホフナゲルにとっては、キャリアを変えるシンデレラストーリーの舞台となった。彼は雑誌のカバーショット撮影のためにブラジルに滞在し続けるか、不確実な風を求めてデンマークへ飛ぶかというギャンブルの末に出場を決断した。いざビーチで世界のビッグネームたちを目の当たりにして大会の「本気度」にビビりつつも、見事3位ポディウムを獲得し、自身のプロキャリアの巨大なスプリングボード(跳躍台)とした。

ファイナルヒートにはケビン・ランゲレー、ラッセ・ウォーカー、スティグ・ホフナゲルの3名のオランダ人ライダーが進出した。ラッセ・ウォーカーとスティグ・ホフナゲルが極限まで低いメガループなどを披露する中、絶対王者であるケビン・ランゲレーは自身が立ち上げた新ブランドによる未テストのカイト「Reedin Supermodel」へのギア変更という賭けに出た。結果として、彼は他を圧倒する安定感と高さで完全勝利を収め、Red Bull King of the Air 2021への切符を掴み取った。

大会の裏側では、選手同士のブロマンス(友情)も話題となった。ケビン・ランゲレーの親友であるラッセ・ウォーカーは、ヒート後にインタビューで以下のような冗談を飛ばしている。

「ケビンは僕に勝たせてくれないだろうなと思ったよ。だって僕たちはKing of the Airのエントリービデオを一緒に作らなきゃいけなかったからね。僕はここで負け残っちゃったけど、君のビデオ編集や撮影は手伝えるよ。(中略)ああ、喜んでキャディになってやるよ!」

—ラッセ・ウォーカー

大会の詳細結果を表示(ネタバレ注意)

1位: ケビン・ランゲレー (29.63)
2位: ラッセ・ウォーカー (26.07)
3位: スティグ・ホフナゲル (25.40)

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