Red Bull Megaloop 2019

概要

2019年6月8日、オランダザンドフォールト(Zandvoort)で開催された「Red Bull Megaloop 2019」は、平均風速30ノット・最大45ノット超のダッチストームの中で行われた。本大会では南アフリカ勢が驚異的なパフォーマンスでシーンを席巻し、一発勝負という大会ルールならではの大逆転劇が生まれた。

開催地とコンディション

舞台となったのは北海から押し寄せる強烈な暴風(ダッチ・ストーム)が吹き荒れるオランダのザンドフォールトである。ロス=ディロン・プレイヤーが「あまりにも過酷だ。海面は荒れ狂い、常にダウンウィンドに向かってテイクオフするため、着地のスピードも馬鹿げているほど速い」と語るほどの極限のコンディションであった。

フォーマットと出場選手

ヒート内の総合点ではなく、最も高いスコアを叩き出した「たった1つのメガループ」で勝敗が決まる特異なフォーマットを採用している。評価の70%はカイトの低さや引っ張られる水平距離といった「高さと極限度」、残りの30%は着地の美しさや空中での姿勢といった「実行力とスタイル」となる。これにより、ライダーたちは一回のクラッシュを恐れず、一発逆転を狙ってウルトラC級のトリックに挑むことが可能となっている。

ハイライト・名勝負

大会最大のハイライトは、オズワルド・スミスケビン・ランゲレースティーブン・アッケシュダイクという3人の超強豪レジェンドが同居し「実質の決勝戦」と呼ばれたセミファイナルでの、リアム・ウェイリーの執念の大逆転劇である。

ヒート開始直後、Liamの手元からカイトが完全に離れて飛ばされる致命的なトラブルが発生。命からがらビーチに戻り、予備の7㎡のカイトを掴んで海に出るが、空気が十分に入っておらず大嵐に耐えきれずに潰れてしまった。ヒート残り時間がわずか5分と迫る中、当時F-OneのチームライダーであったLiamが、どこからともなく8㎡の「DiceDuotone)」を手にして海へ再登場する。絶体絶命の状況を見かねたレノ・ロメウが貸し出したとも言われている。人生でほぼ一度も乗ったことのないカイトでありながら、Liamは瞬時に特性に適応し、異次元の高さのブギループを連発。見事に強豪3人をねじ伏せ、トップ通過でファイナル進出を決めた。

大会の詳細結果を表示(ネタバレ注意)

この極限のコンディションで圧倒的な強さを見せつけたのが南アフリカ勢である。特に注目を集めたのは、ケープタウン出身で当時19歳のロス=ディロン・プレイヤーだった。完全なノーマークであった彼は、世界の頂点に君臨するプロたちと戦うプレッシャーから極度の緊張状態に陥っていた(「コーヒー1杯とバナナ、それに数本のレッドブルだけで大会全体を乗り切りました。どうしても食べられなかったんです」)。しかし、そこから不屈の精神で這い上がり、驚異的な低空飛行からシグネチャートリック「メガループ・レイトバックロール(Megaloop late Backroll with a nice nose grab)」を次々と完璧にメイクし、並み居る強豪を次々と打ち破っていった。

本大会は、ロス=ディロン・プレイヤーが見事に優勝を果たし、準優勝にも同じく南アフリカのオズワルド・スミスが入るという、南アフリカ勢の歴史的なワンツーフィニッシュで幕を閉じた。

  • 1位: ロス=ディロン・プレイヤー(7.90 points)
  • 2位: オズワルド・スミス(7.60 points)
  • 3位: ラッセ・ウォーカー(7.47 points)
  • 4位: リアム・ウェイリー(6.83 points)

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