タントラム (Tantrum)

概要と構成

タントラム(Tantrum)は、ヒールサイド(かかと側)のアプローチから行われる、縦回転のバックフリップ(後方宙返り)トリックである。

同じく後方に回る「バックロール(インバーテッド・バックロール)」との最大の違いは「進行方向に対する回転軸」にある。バックロールが進む向きに対して平行な軸で回る(バレルロール/樽転がり)のに対し、タントラムは進む向きに対して垂直な軸で回る純粋なバク宙(縦回転)となる。ウェイクボード発祥のトリックであり、カイトサーフィンにおいてもインバート(頭が下になる)系トリックの基礎として初級者からプロまで幅広く親しまれている。

メカニズムとコツ

タントラムの成功の鍵は、踏み切り(ポップ)の瞬間のエッジコントロールと、思い切った上半身の投げ出しにある。

  • アプローチ: ヒールサイドでエッジを効かせ、カイトを安定させた位置(11時または1時付近)にキープする。
  • トリッピング(リリースの準備): エッジを最後まで食い込ませて回るバックロールとは異なり、踏み切る直前にあえてヒール側のエッジを少しフラット(平ら)に戻す。これにより、水面でつまずくような形(トリッピング)を作り出し、縦回転の遠心力を生み出す準備をする。
  • ポップと回転: 水面を蹴り出すと同時に、頭と両肩を真後ろに強く投げ出す。カイトのリフト(引き上げ力)を利用しながら、ボードが頭の真上を通過するように体を伸ばして純粋な縦回転を行う。
  • ランディング: 宙返りの頂点を過ぎて下を見ると、いち早く水面(着水地点)を視認できるのがタントラムの利点である。しっかりと水面を見ながら膝を曲げ、ヒールサイドで着水して衝撃を吸収する。

派生トリック

  • タントラム・トゥ・ブラインド(Tantrum to Blind / T2B): タントラムの回転の終盤で空中で180度背中側にひねり(バックサイド180)、完全にブラインド(背中を向けた状態)で着水するスタイリッシュなトリック。
  • モブ(Mobius /モブ): タントラムにフロントサイド360度のスピン(とハンドル・パス)を組み合わせたトリック。「クロウ・モブ」などの名称に含まれる「モブ」の語源でもある。
  • グラブ・タントラム: インディ(Indy)やメラン(Melon)などのグラブを宙返り中に取り入れる、スタイル重視のバリエーション。

代表的なライダーと名シーン

タントラムはフリースタイルやビッグエアにおける必須の基礎スキルであるため、トップライダーであれば誰もがマスターしているマニューバーである。

近年ではビッグエア競技において、強風の中で巨大なカイトループとタントラムを組み合わせたダイナミックな複合トリックが披露されることが多く、ライダーの度胸と滞空中のボディコントロールをアピールするための重要な要素となっている。

検索用エイリアス: Tantrum

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