F-ONE(エフワン)

概要

F-ONE(エフワン)は、フランスを拠点とする老舗のウォータースポーツブランドである。買収や巨大企業への統合が相次ぐカイト業界において、他社資本に属さない「最後に残った主要な家族経営(ファミリーオウン)」の独立系ブランドの一つとして確固たる地位を築いている。

ブランドの歴史と理念

元々プロのウインドサーファーであった創業者ラファエル・サレス(Raphael Salles)が、当時のウィンドサーフィン市場や既存ブランドに自分の居場所を見出せず、自らボードのシェイプ(削り出し)を始めたことが起源である。ブランド名は彼がウィンドサーフィン競技で使っていたセイルナンバー(登録番号)「F1」に由来する。

1997〜1998年頃、カイトサーフィンという未知のスポーツに出会うと、ウィンドサーフィンの知識を活かしていち早く最初期のカイト用ボード(ディレクショナル・ボード)の製造・販売を開始し、業界のパイオニアとなった。

F-ONEの魂は、ラファエルの異常とも言えるテストへの執念にある。還暦を迎えてなお自ら過酷なテストをこなす徹底した現場主義が製品クオリティの源泉である。現在は、ウォータースポーツアクセサリーブランド「Manera(マネラ)」を大成功させた息子のジュリアン・サレス(Julien Salles)が、将来的にCEOを引き継ぐべく準備を進めている。

代表的なプロダクト

Bandit: 長年にわたりF-ONEの代名詞として君臨し、「単一モデルでフリーライドからウェーブまで全てを網羅する」という哲学を貫いてきたフラッグシップカイト。用途に合わせて純粋なウェーブライディングに特化した派生モデル「Bandit S」も展開している。さらに今後、Brainchild仕様のBanditが登場することも話題となっている。

WTF (Win The Freestyle): フリースタイル競技に特化した純粋なCシェイプカイト

Bullit: メガループや強風域での過激なライディングのために強固に設計されたハードコアなビッグエア・カイト(6〜9m展開)。

Breeze: Bullitとは正反対に、ワンストラット構造で極限まで軽量化され、微風域やハイドロフォイルでの使用に特化したライトウィンド用カイト。

Trigger: 高高度のジャンプとループに対応するビッグエア専用のハイパフォーマンスカイト。近年、ライバルであるDuotoneの元伝説的デザイナー、ラルフ・グローセル(Ralf Groesel)とその最先端工場「Brainchild」と提携したことで、最先端の溶着技術を搭載した「Trigger Brainchild」が生み出され、ビッグエアシーンに衝撃を与えている。

ツインチップ・ボード: 長年ブランドのフラッグシップとして君臨し、独自の立体レール形状「HRD(Helical Rail Design)」により卓越した乗り心地を誇るフリーライドモデル「TRAX」シリーズを展開。またフリースタイル向けには、Cカイトと同名のコンペティション・ウェポン「WTF?! (Win The Freestyle)」がラインナップされており、強烈なポップを生み出す競技用ボードとして熱狂的な支持を集めている。

サーフボードラインナップ: F-ONEのストラップレス・ウェーブ用ボードは業界最高峰の評価を得ている。ミトゥ・モンテイロのシグネチャーモデル「Mitu Pro」をはじめ、着水の衝撃に強く波乗りとフラットウォーターの双方に優れたベストセラー「Slice」、ピュアサーフ用のラウンドピンテール「Shadow」、そして極限まで薄く軽量化された革新的な「Magnet」など、圧倒的なラインナップを誇る。

技術的な特徴

フォイル/ウィングフォイルの開発においても業界を牽引しており、造船設計士(Naval Architect)のシャルル・ベルトラン(Charles Bertrand)を中心に数々の名作を生み出している。本社内に専用のワークショップを構え、「月曜日にフォイルを設計し、週末にはプロトタイプを水上でテストする」という驚異的な開発スピードを誇る。

一方で、新しいカイトの開発には一切妥協せず、市場のトレンドに合わせて強引に毎年リリースするのではなく、納得がいくまで何年もかけてじっくりと熟成させる職人的なアプローチをとっている。

チームライダー

ミトゥ・モンテイロ: カーボベルデ出身の生きた伝説。「ストラップレスのゴッドファーザー」と呼ばれ、15年以上にわたりF-ONEと共に歩み、専用ボードの開発にも深く関与しているブランドの象徴である。

ムーナ・ホワイト: ハワイ出身のGKA世界王者。圧倒的な波乗りスキルでシーンの頂点に君臨する絶対的女王。

ケアヒ・デ・アボイティス: 複数の世界タイトルを持つウェーブライディングとバレル(チューブ)ライドの生きた伝説。近年ハワイ出身のMoonaと共にF-ONEチームへと新たに加入した。

マクシム・シャブロー: スイス出身。2022年のGKAフリースタイル世界王者であり、フリースキーの世界王者でもあるという異次元の才能を持つトップアスリート。

マルセラ・ヴィット: ブラジル出身。ウェーブおよびストラップレスシーンの最前線で限界をプッシュし続ける実力派トップライダー。

チャールズ・ブローデル: ハイドロフォイル・ビッグエア競技で5度の世界王者に輝く絶対的王者。自らプロトタイプカイトの設計(ドラフト)にも関わっている。

ティトゥアン・ギャレア: ウィングフォイル競技のパイオニアであり世界王者。F-ONEの「Swing」や「Strike」を使用し、ウイング業界の爆発的ブームを牽引した。

ミカエル・フェルナンデス: 2005年のKPWT世界王者。現在はラファエルと共にF-ONEの中核テストライダーとして、主力カイトの開発テストを長年一手に引き受けている。

ジョシュ・ギリット: 近年のビッグエアシーンでTriggerカイトを握り限界をプッシュしているトップライダーである。

過去に所属した主なライダー・移籍組

Camille Delannoy / Capucine Delannoy: 幼少期からF-ONEとManeraの絶大なサポートを受けて育ち、妹のカプシンは女子ストラップレス界の世界王者に君臨するなど一時代を築いた兄妹。現在は揃ってNORTH(ノース)へ移籍している。

リアム・ウェイリー: フリースタイルの元世界王者。長年F-ONEの競技シーンを牽引した後、DUOTONE(デュオトーン)へと移籍した。

ジェイミー・オーバービーク: オランダの若き天才ビッグエアライダー。Triggerのポテンシャルに惹かれてF-ONEへ加入し業界を騒然とさせたが、その後チームを離脱した。

🔗 関連リンク: F-ONE : Kitesurfing, Foil Surf Foil and Stand Up Paddle – One Culture

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