ケアヒ・デ・アボイティス

概要

「僕にとっての基本は常に『その時のコンディションに最も理にかなったものに乗る』ということなんだ。もし完璧な波が立っているなら、ショートボードを持って海に出てそれを最大限に楽しむ。でももし風が吠えるように吹いていたり、リーフがはるか沖にあるような場所なら、カイトやSUPを使うし、波が小さければ今はフォイルだってあるからね。」

ケアヒ・デ・アボイティス

ケアヒ・デ・アボイティス(Keahi de Aboitiz)は、オーストラリアヌーサ出身のプロウォーターマンである。カイトボードの枠に完全に収まらず、スタンドアップパドル(SUP)、プローンフォイル、ハワイ・パイプラインでの純粋なサーフィン、さらにはジョーズ(Jaws)でのパドルイン・サーフィンにいたるまで、ボードと名がつくものすべてを世界最高レベルで乗りこなす。海を愛し海に愛された彼は、まさに「究極のウォーターマン(The Ultimate Waterman)」と呼ぶにふさわしい存在であり、現在はハワイオアフ島をベースに活動している。

キャリア

あらゆるボードを完璧に操るケアヒは、まさに万能にして全き達人である。カイトサーフィン(ウェーブ部門)においては、2012年から2015年にかけて4年連続で世界チャンピオンの栄冠に輝き、絶対王者として君臨した。彼のタイトルは2012年・2013年のKSP(Kite Surf Pro)ツアー、および2014年・2015年のPKRA(Professional Kiteboard Riders Association)ツアーの両方にまたがっている。さらに、SUPの世界ツアーでもチャンピオンに輝いた経歴を持つなど、マルチアスリートとしての計り知れない実力を証明している。

プレイスタイルにおける最大の特徴は「波との完全な同調」である。他のライダーがカイトの力で無理やりボードを動かそうとするのに対し、ケアヒはカイトの存在を消し、純粋なサーフィンを追求するというアプローチをとっており、その波と同調する能力において彼の右に出る者はいない。波のボトムターンでカイトを極限まで低く保ち、ラインをたるませる(シートアウトする)ことで、カイトに引っ張られずに波のパワーだけでボードのフィンを蹴り出す(スナップする)美しいサーフスタイルを徹底している。

スポンサー・所属ブランド

長年にわたり、カイトボード界の伝説的パイオニアブランドであるCabrinha(カブリナ)のメインチームライダーおよび「ブランドの顔」として世界シーンを牽引してきた。しかし近年になって、最愛のパートナーであるムーナと同じF-ONE(エフワン)ファミリーへと電撃移籍を果たし、シーンに大きな驚きと新風をもたらした。

パーソナリティと交友関係

GKAウェーブ女王であるムーナ・ホワイト(Moona Whyte)とは長年の交際相手であり、世界中の波を共に旅するトラベルバディでもある。

また、カイトボード界のレジェンドであるピート・カブリナ(Pete Cabrinha)との血縁関係についても有名である。長年、GKAの大会実況などでは「ピートの甥(nephew)」と噂されていたが、本人がポッドキャストで語った真実によると、正確には「母方の親戚であり、三従兄弟(サード・カズン)」にあたる。

名言・エピソード

世界中の最高の波(バレル)を追うフリーサーファーとしての情熱が勝るあまり、コンテストのスケジュールに縛られない自由な旅を愛している。彼にとって海は我が家であり、常に波を追い求めるエピソードが数多く残されている。

2016年のキングメーカー(王座の決定権を握った男)
2016年、GKAツアー初年度のモロッコ・ダフラ大会での出来事である。年間世界王者のタイトルがアイルトン・コッツォリーノマチュ・ロペスの2人に絞られる中、ケアヒはセミファイナルでマチュを倒し、マチュの自力優勝の目を摘み取った。決勝では、勝てば世界王者となるアイルトンをも圧倒的なライディングで粉砕して優勝。「誰のタイトルの邪魔もしたくない」と本人は神経をすり減らしていたが、ダフラで無敗を誇る純粋な実力が勝ってしまった結果、アイルトンとわずか80ポイント差でマチュ・ロペスが初代世界王者に輝くという劇的なドラマを生み出した。

フィジーの極上バレルからの直行便(エクストリーム出勤)
2018年にブラジル・プレア(Prea)で開催されたGKA大会において、ケアヒは事前の選手登録日に姿を見せなかった。彼はその直前まで、地球の裏側であるフィジーの強烈なリーフブレイクで巨大なバレル(チューブ波)を追いかけていたためである。長時間のフライトを経て、時差ボケのまま大会会場のビーチに直行し、そのまま競技にエントリーするという離れ業をやってのけた。世界中の波を追いかけることこそが彼の真の情熱であることを証明する伝説となっている。当時の大会実況では、彼が到着した際の様子が次のように語られている。

「次のヒートに彼が登場するよ。フィジーから到着したばかりだ。あっちでバレル(チューブ波)を追いかけていたんだ。昨日の大会登録には間に合わなかったけれど、フィジーから向かっていると十分に前もって連絡はくれていたよ。そう、世界中の波を追いかけることこそが彼の情熱なんだ。」

ジョー・シアストゥラ

大会結果

カイトサーフィン世界選手権(ウェーブ部門)において、2012年、2013年、2014年、2015年の4年連続世界チャンピオンを獲得している。また、GKAツアーにおいてもモロッコ・ダフラ大会をはじめとする複数のイベントで優勝を飾った。

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