概要
「地元のバレンシアはいつもこんな風だから完璧だ」
2019年の「GKA Kite World Cup Tarifa (Tarifa Kite Pro)」は、スペインのタリファで開催されたGKAカイトワールドツアーの大会である。本大会は、フリースタイル(ツインチップ)とカイトサーフ(ストラップレス)の両ディシプリンを1つの大会に統合した、2019年シーズンの3大グランドスラム(他はモーリシャス、モロッコ)の開幕戦として位置づけられた。
開催地とコンディション
競技エリアは、世界的に高名なミシュラン星獲得シェフであり、自身もボディボードを嗜むサーファーであるダニ・ガルシアの新しいレストラン「Bibo Beach House」の目の前に設置された。彼自身の直接的なサポートにより、華やかなビーチカルチャーが演出された。
しかし、「ヨーロッパの風の首都」と称されるタリファでありながら、大会は深刻な風不足に泣かされることとなった。初日は風が足りず競技を開始できず、さらにスペイン北部からの熱波が風をブロックし、曇り空も重なって前半は完全な無風状態に見舞われた。3日目・4日目のサーマル風と最終日の風でヒートを進めたものの、全トーナメントを消化する時間は圧倒的に不足していた。
フォーマットと出場選手
大会直前までドイツ・ズルト島での過酷な競技が行われており、選手たちはわずか1日後の7月2日にはヨーロッパを横断してタリファへ舞い戻るという超過密スケジュールを強いられていた。
出場選手においては、膝の怪我からの復帰戦として大いに期待されていた元フリースタイル世界女王のブルーナ・カジヤが無念の欠場となった。また、ドミニカ共和国出身のアデウリ・コルニエルは、母国にはないタリファ特有の40ノットを超える爆風「レバンテ」での限界突破を熱望していたが、風不足によりその夢は叶わなかった。
ハイライト・名勝負
強風が吹かなかったことで、大会は波乱の連続となった。ストラップレス男子部門の序盤では、カミーユ・デラノワやジェームズ・カルーといった優勝候補筆頭が信じられないほどの早期敗退を喫した。
一方、スペインの期待の新人「El Anguilita(ウミヘビ)」ことキコ・ロイグは、多くのプロが嫌がる微風・超ライトウィンドコンディションに対し持ち前の強さを発揮。トリッキーな風を完全に攻略して勝ち上がった。この快進撃によるトップ8入り(共同1位)は、数年後のズルト大会で見事優勝を果たす彼のポテンシャルを強く予感させる決定的な伏線となった。
男子ツインチップ・フリースタイル、女子ツインチップ・フリースタイル、および男子カイトサーフ(ストラップレス)の3部門は、風不足によりトーナメントを完結させることができなかった。その結果、これら3部門すべてにおいて、準決勝(または準々決勝)に進出して勝ち残っていた上位8名の選手全員が「共同1位」をシェアするという異例の公式記録で大会を終えることとなった。
唯一シングル・エリミネーションのすべてのヒートを消化できた女子カイトサーフ(ストラップレス)部門では、地元の圧倒的な声援を受けたスペインのカルラ・エレーラ・オリアが完全優勝を飾った。
大会の詳細結果を表示(ネタバレ注意)
女子 Kite-Surf(ストラップレス)部門最終結果
- 1位:カルラ・エレーラ・オリア(スペイン)
- 2位:サビーネ・ビュッケレス(ベルギー)
- 3位:Barbara Sgardello(イタリア)
- 4位:ヨハンナ・カタリーナ・エディン(スウェーデン)
男子フリースタイル(ツインチップ)部門(共同1位)
女子フリースタイル(ツインチップ)部門(共同1位)
- ミカイリ・ソル
- ピッパ・ヴァン・イアーセル
- テレーゼ・ターベル
- パウリーン・ヴァレサ
- Maureen Castelle
- クラウディア・レオン
- ポーラ・ノボツナ
- ナタリー・ランブレヒト
男子 Kite-Surf(ストラップレス)部門(共同1位)
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