2018 カーボベルデ (GKA Kite-Surf World Tour Cape Verde 2018)

概要

「今年の最初のイベントをスタートできることにすごくワクワクしている。いつもこの時期はケープタウンにいるから予想より少し早い開幕だけど、カーボベルデに来てポンタ・プレタで乗れるのは最高よ」

— ヤルー・ランゲレー

2018年2月、アフリカ西岸沖に浮かぶカーボベルデ・サール島にて、2018年GKA Kite-Surf World Tourの開幕戦が開催された。
世界中のウェーブ・ライダーが憧れる伝説的ポイント・ブレイク「ポンタ・プレタ(Ponta Preta)」を舞台に、男女合わせて49名のトップライダーが集結。地元カーボベルデ出身のスター選手たちと海外の強豪勢がシーズン最初のタイトルを懸けて激突し、歴史的な初メイクや大番狂わせ、そして長年の因縁に決着がつく劇的な開幕戦となった。

開催地とコンディション

メイン会場となったサール島のポンタ・プレタは、浅いリーフ(岩棚)の上で大きくクリーンなライトハンダー(右方向に割れる波)が立つことで世界的に知られる屈指のウェーブスポットである。
今大会では事前の期待よりもスウェル(うねり)のサイズがやや小さめで、風もクロス・オフショアかつ微風(マージナル)という極めてテクニカルなコンディションでの戦いを強いられた。それでも選手たちは岩場が剥き出しになったインサイドの限界ギリギリまで波を乗り継ぎ、最後の瞬間にキックアウトするスリリングなチャージを連発した。
また、女子のファイナルステージでは、より良い風と波のコンディションを求めて主催者が島の北部にあるスポット「シークレッツ(Secrets)」へと会場を移動。サイドショアの風が吹き上がる絶好の環境の中で最終決戦が行われた。

フォーマットと出場選手

今大会は純粋なウェーブ・ライディング(Pure Wave)フォーマットのシングル・エリミネーションとして実施された。
男子部門の最注目は、地元サール島で生まれ育ったミトゥ・モンテイロ(Mitu Monteiro)、ディフェンディング王者のアイルトン・コッツォリーノ(Airton Cozzolino)、そして2016年世界王者のマチュ・ロペス(Matchu Lopes)という3人のローカルヒーローたち。母国にトロフィーを残すべく参戦した彼らに対し、4度の世界王者ケアヒ・デ・アボイティス(Keahi de Aboitiz)やブラジルのセバスチャン・リベイロ(Sebastian Ribeiro)、ペドロ・マトス(Pedro Matos)、ポルトガルのパウリーノ・ペレイラ(Paulino Pereira)、オーストラリアのジェームズ・カルー(James Carew)らが挑む構図となった。
女子部門では、前年のモーリシャス戦を制して初代女王として連覇を狙うハワイのムーナ・ホワイト(Moona Whyte)と、通算2度のワールドタイトルを持つオランダのヤルー・ランゲレー(Jalou Langeree)の2強を中心に、ポルトガルのイネス・コレイア(Ines Correia)やフランスのマリー・ゴートロン(Marie Gautron)、シャルロット・カルペンティエ(Charlotte Carpentier)らが参戦した。

ハイライト・名勝負

男子:波乱の連続とアイルトン悲願の対ケアヒ初勝利

男子のオープニングセッションで真っ先に抜群のフローを見せたのは、オーストラリアのケアヒ・デ・アボイティスだった。一方、地元の大歓声を背負うアイルトン・コッツォリーノも最初のヒートから一気にギアを上げ、クロス・オフショアの難しい風の中で、競技史上初となる波の上での「グラブ・バックロール(Grabbed Backroll)」をメイクして会場を沸かせた。
大会3日目にはさらなるドラマが巻き起こる。この日入ったビッグセットを捉えたポルトガルのパワーハウス、パウリーノ・ペレイラが強烈なターンを連発し、1日に2度の10点満点(パーフェクト10)を叩き出す快挙を達成。続くラウンド4では、優勝候補の一角であった2016年王者マチュ・ロペスがブラジルのペドロ・マトスに敗れ、まさかの早期敗退を喫する大番狂わせが起きた。
準決勝第1ヒートではケアヒがペドロ・マトスを洗練されたライディングで退け、準決勝第2ヒートではセットの間隔が長く風も弱まる緊迫した展開の中、アイルトンが精密なサーフスタイルを見せるセバスチャン・リベイロを僅差で振り切った。
迎えた決勝は、アイルトン・コッツォリーノとケアヒ・デ・アボイティスの頂上決戦となった。過去数年にわたり幾度となく対戦してきた両者だが、実はアイルトンはこれまでケアヒに対してヒートで一度も勝ったことがなかった。ヒートが始まると、アイルトンは大会ベスト級のエアリアルを次々と繰り出し、最後の瞬間まで波を攻め続ける猛攻を展開。ケアヒもシームレスなフローと戦術的なウェーブセレクションで応戦したが、次第にコンディションがオフ・ザ・リップのアクションに味方する展開となり、アイルトンが遂に宿敵ケアヒから悲願の初勝利を奪取。「ケアヒにはいつも負けていたけれど、今回は僕のホームで勝てて本当に最高だ」と語ったアイルトンが、母国開幕戦で見事な優勝を飾った。

女子:シークレッツでの頂上決戦とムーナの開幕戦制覇

大会2日目からヒートがスタートした女子部門では、ディフェンディング女王のムーナ・ホワイトがラウンド1で南アフリカのライデ・ヘックルート(Lyde Heckroodt)を相手に完成度の高いライディングを披露し、順当に勝ち上がった。対するヤルー・ランゲレーも、普段のケープタウンでの練習から早めに切り替えて臨んだポンタ・プレタの難しいバックサイド・オフショアの波に適応し、ムーナと共に他の選手から頭一つ抜けた実力を見せつけて決勝へと駒を進めた。
より良いコンディションを求めて島北部のスポット「シークレッツ」へ移動して行われたファイナルでは、ムーナとヤルーによる極上のウェーブバトルが繰り広げられた。直前のヒートまで弱めだった風が決勝で吹き上がり、小さいサイズのカイトに切り替えたムーナがサイドショアの波を見事に攻略。わずか2点未満の僅差でヤルーを振り切り、ムーナが開幕戦の頂点に立った。試合後、ムーナは「カーボベルデのことはずっと前から聞いていたけれど、ついにハワイから遥々やってきて、こんな素晴らしい波を見て頂点に立てて本当に幸せ」と喜びを爆発させ、2強による熾烈なタイトルレースの幕開けを告げた。

大会の詳細結果を表示(ネタバレ注意)

男子 最終結果

  1. アイルトン・コッツォリーノ(ITA / CV)
  2. ケアヒ・デ・アボイティス(AUS)
  3. セバスチャン・リベイロ(BRA)
  4. ペドロ・マトス(BRA)
  5. ミトゥ・モンテイロ(CV)

女子 最終結果

  1. ムーナ・ホワイト(アメリカ)
  2. ヤルー・ランゲレー(NED)
  3. イネス・コレイア(POR)
  4. マリー・ゴートロン(FRA)
  5. シャルロット・カルペンティエ(FRA)

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