「最高だよ、みんな本当にありがとう!この賞を勝ち取ることができて光栄だし、GKAがこうしたアワードを開催してくれたことが本当に嬉しいよ。ケープタウンで決めたあのハンドル・パスは、僕がこれまでカイトでやってきた中でも最もクレイジーな技のひとつだった。空中に飛び上がった瞬間、『こいつはヤバい、条件が完璧すぎて2回目のパスに行かない手はないぞ!』と直感したんだ。相棒である9平米のNorth Orbitで決めた1本だったし、この賞を獲れて最高に興奮しているよ。」
概要
2021年7月26日から8月4日にかけて全3エピソードにわたり配信された『GKA Distance Battle: Aluula All-Time Big Air 2021』。前年のパンデミック下で誕生したオンライン大会『Distance Battle』の第2弾であり、2021年版はルールを大胆に刷新。「過去20年間のカイトボーディング史の中で撮影された、最も巨大で過激なビッグエア・トリック1本」を競うオールタイム・ベストトリック決定戦として開催された。全5部門(男子ツインチップ、女子ツインチップ、男子ストラップレス、女子ストラップレス、ハイドロフォイル・フリースタイル)に世界中から100本を超える歴史的映像が集結し、時代と場所を超えた夢の空中戦が繰り広げられた。
「過去20年のベスト1本」を競う独自フォーマットとAluulaの革新
本大会の最大の特徴は、ツアーマネージャーのトム・ハートマンが発表した「All-Time(歴代すべて)」かつ「Single Trick(1本のベストトリック)」という門戸の広さにあった。
前年の2020年大会では「指定された2ヶ月間に5分間連続のノーカット・ヒート映像を撮影する」という制約があったが、2021年大会ではプロ・アマチュアを問わず誰でも参加可能となり、「過去20年間のカイトボーディングの歴史の中で、いつ・どこで撮影された映像であっても応募できる」というタイムカプセルのようなルールが採用された。
また、冠スポンサーには、25年以上にわたりカイトのフレーム素材として使われてきたダクロン(Dacron)に代わる超軽量・高剛性の次世代複合素材を開発した「Aluula(アルーラ)」が就任。機材の重量を半分以下に削ぎ落としビッグエアの限界を引き上げる技術革新の象徴として大会をサポートした。
応募された100本以上の映像はGKAの国際ジャッジパネルによって事前スクリーニングされ、各部門のトップファイナリストを選出。ジョー・シアストゥラがホストを務める特別番組の中で、3名のジャッジが各トリックを10点満点で採点し、その平均スコアによって「オールタイム・ビッグエア王者」が決定された。
ストラップレス・女子ツインチップ・ハイドロフォイル部門の激闘
Episode 1(7月26日配信):男女ストラップレス・ビッグエア部門
第1回配信では、足元にストラップを持たないサーフボードで巨大なカイトループや空中回転を繰り出す男女ストラップレス部門の決勝が行われた。
女子ストラップレス部門では、ブラジルのオフシーズンで2週間以上も風待ちを続けた末、最終日に6平米のNorth Carveでカイトループを成功させた15歳のカプシン・デラノワが優勝を獲得し、翌月のズルト大会でのツアー初優勝へと弾みをつけた。
男子ストラップレス部門では、「Cozzolino Airlines」の異名を持つ絶対王者アイルトン・コッツォリーノが頂点に立った。彼が提出したのは、後ろ手を強く引く王道のカイトループ(バックハンド・ループ)から、引き抜かれた後の空中でさらに2回転のレイトローテーションを加える「Kiteloop Double Late Backroll(カイトループ・ダブル・レイト・バックロール)」という驚異の映像だった。
「今年の初勝利だ!大会に出るのは本当に久しぶりだったけれど、この『Aluula All-Time Big Air』というバーチャル大会で、僕が今年メイクした最もクレイジーなトリック——バックハンドのカイトループからダブル・レイトローテーションを入れる技——で優勝することができた。何年もずっと練習し続けてきて、ついに競技でメイクできたんだ。今のこのハッピーな気持ちは言葉では言い表せないよ、クレイジーだぜ!」
—アイルトン・コッツォリーノ
Episode 2(7月29日配信):女子ツインチップ&男子ハイドロフォイル部門
第2回配信では、女子ツインチップ部門と男子ハイドロフォイル・フリースタイル部門の2カテゴリーが審査された。
女子ツインチップ部門を制したのは、フランスのビッグエア・スペシャリストアンジェリー・ブイヨであった。彼女が提出した映像は、南アフリカ・ケープタウンの『Red Bull King of the Air』出場時に、Core Kiteboardingの9平米GTSとCarverボードを駆って強風の中で放った特大の「Laid-back Kiteloop(身体を後方に大きく反らせたカイトループ)」だった。放送の3ヶ月前に怪我を負いリハビリを続けていた彼女にとって、復活を告げる嬉しいタイトルとなった。
「コンテストで優勝したと聞いて本当に嬉しいです、どうもありがとう!選ばれたのはKing of the Airの時に決めたレイドバック(カイトループ)でした。あの時はCore Kiteboardingの9平米GTSとCarverボードを使っていて、何ノット吹いていたかは覚えていないけれど、凄まじいパワーが入っていたことだけは確かよ!実は3ヶ月ほど前に怪我をして少し途方に暮れていた時期もあったけれど、今は準備万端だし、また強風が吹いて自分の調子を確かめるのが待ちきれないわ。」
—アンジェリー・ブイヨ
同時開催されたハイドロフォイル・フリースタイル部門では、フランスのシャルル・ブローデルがトップ10トリックの頂点に立ち、11月のフォルタレザでの世界選手権制覇に先駆けてフォイル・ビッグエアの第一人者としての実力を証明した。
「このイベント、とりわけカイトフォイルにおいて僕が限界までプッシュしたいと考えている『ビッグエア』の大会で優勝できて最高に興奮しているよ。この大会を企画し、カイトフォイル・ビッグエアに注目してくれたGKAに心から感謝したい。このトップ10トリックの映像を見た人たちが、この新しいディシプリンに挑戦するきっかけになってくれたら嬉しいね。」
—シャルル・ブローデル
男子ツインチップ部門:世代を超えた10人のレジェンド&新星対決
最終回となるEpisode 3(8月4日配信)の男子ツインチップ部門ファイナルには、過去から現在までのビッグエア史を彩る10名の怪物たちが選出された。
トップバッターのイギリス人ベテランルイス・クラザーンが2017年にケープタウンで決めた「メガループ・レイトバックロール(6.9点)」で幕を開けると、2番手に登場したポーランドの19歳の新星ヤネック・ジェゴジェフスキーがいきなり度肝を抜く映像を叩きつけた。ケープタウンのライオンズヘッドを背景に、前手で引くコントラ・ループにボードオフと2回転のフロントロールを組み合わせた「Contra Loop Double Front Roll Board-off(のちに彼の名を冠して『ヤネック・ループ』とも呼ばれる代名詞的トリック)」を完璧に着地させ、ジャッジから9.9、9.5、8.6を引き出して平均「9.3点」で一気に首位へと躍り出た。
さらに3番手には、5度の世界王者アーロン・ハドロウが2015年のケープタウンで記録した歴史的名シーン——メガループの真っ最中に空中でアンフックし、グラブを加えながら背中でバーを受け渡す「Grabbed Megaloop KGB」——が登場。6年前の映像でありながら現代の基準でも9.8、8.7、8.3の「平均8.9点」を叩き出し、2位に食い込んだ。
その後も、オランダのモルテン・ヘイガーによるタリファでの長距離「ブギループ」、ニュージーランドのマーク・ジェイコブスがウィンドサーファーの頭上を飛び越えながら決めた「Kiteloop Backroll Board-off(平均8.37点)」、デンマークのニック・ヤコブセンによる超高高度「ブギループ(平均7.5点)」、15歳のオランダの新鋭ジェイミー・オーバービークの「Kiteloop Board-off」、イタリアの若き天才アンドレア・プリンチピによるコンボトリック(平均8.7点で暫定3位浮上)、オランダのヒール・フルーフトのタリファでのビッグエア(7.1点)と、時代を超えた名ジャンプが次々と披露された。
大会の詳細結果を表示(ネタバレ注意)
ヤネック・ジェゴジェフスキー(9.3点)、アーロン・ハドロウ(8.9点)、アンドレア・プリンチピ(8.7点)がトップ3に並ぶ中、最後の10人目として登場したのがアメリカの「キング・オブ・ザ・エアー」ジェッセ・リッチマンであった。
彼が提出したのは、ケープタウンの暴風の中で9平米のNorth Orbitを駆り、高さ21.6メートル級の巨大なカイトループで空中に吊り上げられながら、まず1回目の360ダングルパスを決め、さらに降下時のセーフティループ(ヘリループ)の揚力を利用して滞空中にもう1回のハンドル・パスを追加し、足首すら濡らさずに着水した伝説の「Kiteloop Double Dangle Pass(カイトループ・ダブル・ダングルパス)」であった。
3名のジャッジが掲げたスコアは「10.0、9.5、10.0(平均9.83点)」。ほぼ満点という驚異的なハイスコアでヤネック・ジェゴジェフスキーを逆転し、ジェッセ・リッチマンが「Aluula All-Time Big Air」男子ツインチップ部門の王座に輝いた。
【各部門 優勝者および主な結果】
■ 男子ツインチップ部門(Men’s Twin-Tip Big Air Top 10 Finalists)
1位:ジェッセ・リッチマン(アメリカ)— 9.83 pts(10.0 / 9.5 / 10.0:Kiteloop Double Dangle Pass in Cape Town)
2位:ヤネック・ジェゴジェフスキー(ポーランド)— 9.30 pts(9.9 / 9.5 / 8.6:Contra Loop Double Front Roll Board-off in Cape Town)
3位:アーロン・ハドロウ(イギリス)— 8.90 pts(9.8 / 8.7 / 8.3:2015 Grabbed Megaloop KGB in Cape Town)
4位:アンドレア・プリンチピ(イタリア)— 8.70 pts(8.8 / 8.5 / 8.9)
5位:マーク・ジェイコブス(ニュージーランド)— 8.37 pts(9.5 / 7.3 / 8.3:Kiteloop Backroll Board-off)
・その他のファイナリスト(順不同):ニック・ヤコブセン(デンマーク・7.5 pts)、ヒール・フルーフト(オランダ・7.1 pts)、ルイス・クラザーン(イギリス・6.9 pts)、モルテン・ヘイガー(オランダ)、ジェイミー・オーバービーク(オランダ)
■ 女子ツインチップ部門(Women’s Twin-Tip Big Air)
優勝:アンジェリー・ブイヨ(フランス)— Laid-back Kiteloop at Red Bull King of the Air
■ 男子ストラップレス部門(Men’s Strapless Big Air)
優勝:アイルトン・コッツォリーノ(イタリア / カーボベルデ)— Kiteloop Double Late Backroll
■ 女子ストラップレス部門(Women’s Strapless Big Air)
優勝:カプシン・デラノワ(フランス)— Strapless Kiteloop
■ ハイドロフォイル・フリースタイル部門(Hydrofoil Freestyle Big Air)
優勝:シャルル・ブローデル(フランス)
検索用エイリアス: 2021 GKA Distance Battle, 2021GKADistanceBattle

