GKA Kite-Surf World Cup Cape Verde 2020

概要

「世界的なパンデミックにより、このカーボベルデ大会がしばらくの間、最後のイベントになるとは、この時私たちは知る由もありませんでした。」

—ジョー・シアストゥラ

2020年2月29日から3月6日にかけて、カーボベルデのサール島で『GKA Kite-Surf World Cup Cape Verde 2020』が開催された。当初は2020年シーズンの華々しい開幕戦として熱戦が繰り広げられたが、大会直後に世界的なCOVID-19パンデミックによる渡航制限が発生したため、結果的にKite-Surf部門において約1年半にわたって唯一開催されたリアル公式戦(かつ翌2021年シーズンの年間ランキングへポイントが持ち越される極めて重要な一戦)となった。

開催地とコンディション

当初は世界最高峰のライトハンダーとして知られるポンタ・プレタでの開催が予定されていた。しかし、波のエネルギーが十分に届かずフラットな状態が続いたため、急遽島の反対側(東海岸)に位置するカイト・ビーチへ会場が変更された。カイト・ビーチは本来クロス・オンショアの風が吹くフリースタイル向きのスポットであり、不規則で崩れやすいマッシーな波が特徴である。実況陣が「まるで洗濯機(washing machine)」と表現するほどトリッキーで過酷な海面となり、ライダーたちには極めて高い適応力が求められた。

フォーマットと出場選手

会場がフリースタイル向きの海面へと変更されたものの、大会側は開幕戦としてのフォーマットを崩さず、「100% Waves(純粋な波乗りのみ)」の採点基準を維持した。空中でのトリック点は加算されず、各ヒートで最大15本の波に乗り、そのうち上位2本の波のスコア合計のみで勝敗が決するシビアなルールが適用された。

男子部門には、ジェームズ・カルー、マチュ・ロペス、アイルトン・コッツォリーノ、ペドロ・マトスといったトップライダーに加え、大会期間中に15歳の誕生日を迎えたレユニオン島出身の若手シャーリー・マルタン、ブルガリア出身のニコラ・アバジエフ、そして過去にポンタ・プレタでの4位入賞経験を持つイタリアのフランチェスコ・カプッツォなど多彩な顔ぶれが集結した。

ハイライト・名勝負

過酷なコンディションの中でも、世界最高峰のライダーたちは数々の名勝負を生み出した。序盤からブラジルのペドロ・マトスが純粋なサーフスタイルを爆発させ、波のパワーセクションでの垂直なターン(vertical turns)で7点台を連発。アイルトン・コッツォリーノも波の中で大会最大級の特大360マニューバをメイクして圧倒的な実力を見せつけた。

準々決勝ではリース・マイヤーズコウが体調不良により無念の棄権となり、ジェームズ・カルーが不戦勝で準決勝へ進出。続く準決勝第1ヒートではジェームズ・カルーとペドロ・マトスのチームメイト対決が実現し、パワーと緻密な波選びで上回ったジェームズ・カルーが決勝へ駒を進めた。そして準決勝第2ヒートで最大の注目を集めたのが、地元カーボベルデ出身同士であるマチュ・ロペスとアイルトン・コッツォリーノの宿命のライバル対決である。怪我からの復帰戦となりフルパワーをアピールするマチュ・ロペスと、2019年世界王者アイルトン・コッツォリーノが互いに一歩も譲らない熱いヒートを展開し、マチュ・ロペスが勝利して地元ギャラリーを熱狂させた。

大会の詳細結果を表示(ネタバレ注意)

男子3位決定戦では、アイルトン・コッツォリーノがアウトからセット波を捉えてターンを繋ぎ、ペドロ・マトスを僅差で振り切って3位表彰台を確保した。
そして迎えた男子グランドファイナルは、ツアー初優勝を狙うジェームズ・カルーと、怪我からの復帰戦で母国初優勝を目指すマチュ・ロペスの頂上決戦となった。序盤は地元の波を知り尽くしたマチュ・ロペスがスムースなフローと360を織り交ぜてリードを奪ったものの、ジェームズ・カルーは5本目と6本目の波で目覚ましい反撃を見せ、連続して7点台の高得点をマーク。終盤の逆転劇でマチュ・ロペスを下し、キャリア初となるGKAツアー優勝を成し遂げた。
一方の女子部門では、3位決定戦で2019年女王カルラ・エレーラ・オリアが14歳のミカイリ・ソルを破って3位を獲得。決勝ではカーボベルデを拠点とするポルトガルのイネス・コレイアとオーストラリアのペリ・ロバーツが激突し、ローカルナレッジと力強いターンで勝ったイネス・コレイアが「カーボベルデの女王」の座を守り抜いた。

  • 男子部門
    1位:ジェームズ・カルー
    2位:マチュ・ロペス
    3位:アイルトン・コッツォリーノ
    4位:ペドロ・マトス
  • 女子部門
    1位:イネス・コレイア
    2位:ペリ・ロバーツ
    3位:カルラ・エレーラ・オリア
    4位:ミカイリ・ソル

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