ロレンツォ・カサーティ

「It’s not just about winning; it’s about pushing the sport to a place it has never been before. Every time I go out, I want to show something that people thought was impossible.」

—ロレンツォ・カサーティ

概要

(ただ勝つことだけが目的じゃない。このスポーツを、まだ誰も見たことがない場所まで押し上げることが重要なんだ。海に出るたびに、人々が不可能だと思っていたことを見せてやりたいと思っているよ。)

2005年11月25日生まれ、イタリア出身。現代カイトボーディング界において「若き帝王」の名を欲しいままにする天才ライダー。カナリア諸島・テネリフェ島の荒波と強風で磨き上げられたスキルは、ビッグエア、ストラップレス、ハイドロフォイルのすべてで世界トップレベルに達している。単なるアスリートの枠を超え、機材開発のエンジニアリングにも深く関わる、次世代の「コンプリート・ウォーターマン」の象徴である。

キャリア

2022年、わずか17歳でRed Bull King of the Air(KOTA)に初出場し、並み居るレジェンドをなぎ倒して初優勝。大会史上最年少チャンピオンとして世界中に衝撃を与えた。

彼の最大の凄みは「精密機械」と称されるほどの圧倒的なカイトコントロールであり、誰も想像し得なかった限界を突破し続けている。その象徴が、2023年6月23日にスペイン・タリファ(バルネアリオ)の35ノットの強風下でメイクした、カイトボーディング史上初となる「Triple Loop(トリプル・ループ)」の成功である。これは、ビッグエアの世界に新たな基準を打ち立てた歴史的瞬間となった。

また、Red Bull「Ride the Sky」タリファ予選などにおいても複数のワールドファーストトリックを繰り出し、「Sループ・ロデオ」や「コントラループ・バックロール・ボードオフ」といった革新的なコンボを次々と実戦に投入している。さらに、大会のヒート中にレジェンドであるAaron Hadlow(アーロン・ハドロウ)と偶然にも完全にタイミングが重なる「シンクロナイズド・カイトループ」のミラクルを起こし会場を沸かせたエピソードも有名である(のちにHarlemでチームメイトとなった際、この奇跡へのオマージュとしてケープタウンで公式のシンクロループ撮影も実現している)。

2025年には、アンドレア・プリンチピに続き史上2人目となるカイトボーディング界最大級の偉業「The TRILOGY(トリロジー)」を達成。同一年(シーズン)に「GKA Big Air 世界選手権」「Red Bull Megaloop」「Red Bull King of the Air」の3大タイトルをすべて手中に収め、名実ともに絶対王者の地位を確立した。

スポンサー・所属ブランド

激動のスポンサー遍歴も彼のキャリアを語る上で欠かせない。長年所属したDuotoneを離れ、2022年のKOTA初優勝直後にCabrinhaへと電撃移籍し、前述のTriple Loopの偉業も同ブランド(Drifterを使用)で達成した。

その後、2023年末にはさらなる進化を求め、新鋭ブランドHarlem Kitesurfingへ移籍。この移籍は単なるスポンサー契約ではなく、自身の理想とする機材をゼロから形にするための挑戦であった。新素材を使用したフラッグシップカイト「Harlem Force」の開発には彼のフィードバックが全面的に投影されており、機材の進化が自身のパフォーマンスをさらに別次元へと引き上げることを証明し続けている。

パーソナリティと交友関係

彼の成功の裏には、父Renato Casati(レナート・カサーティ)の存在が欠かせない。レナートはコーチ、マネージャー、そして専属カメラマンとして常にビーチから無線でロレンツォに指示を送り、その一挙手一投足をデータ化して分析する。この「チーム・カサーティ」による徹底したプロフェッショナルなアプローチが、彼の圧倒的な安定感の源泉である。また、弟のLeonardo Casati(レオナルド・カサーティ)も兄を追うようにトップに躍り出ており、互いに高め合う存在となっている。

同世代のトップライダーであるAndrea Principi(アンドレア・プリンチピ)やJeremy Burlando(ジェレミー・ブーランドー)とは幼少期からの親友であり、最大のライバル。この3人は世界のビッグエアの表彰台を独占し、シーンを完全に支配している。その圧倒的な強さと結束力は、「Il Sindacato Italiano del Big Air(イタリアン・ビッグエア・シンジケート)」という言葉がまさに相応しい。

また、彼は極度の負けず嫌いとしても知られている。2026年のLords of Tramでは、ブラジルの若手ジョシュエ・サン・フェレイラ(Josué San Ferreira / ベイビー・シャーク)との間で前代未聞の再試合騒動が起きた。ジャッジがベイビー・シャークのトリックを誤認(ティクタクをボードオフと判定)したことで順位が覆り、ロレンツォがセミファイナル進出枠から外れる事態が発生した。翌日の暴風の中、両者に1トリックずつ挑戦させるワン・トリック・シュートアウトが決定したが、ベイビー・シャークはスタートラインに現れず、唯一挑戦したロレンツォも着水に失敗したため順位は覆らなかった。しかし、この一連の騒動は、絶対に勝利を譲らない彼の勝負への執念を強く印象付ける出来事となった。

大会結果

  • 2022年: Red Bull King of the Air 優勝(史上最年少)
  • 2024年: Cold Hawaii Red Bull King of the Air Qualifier 優勝
  • 2024年: GKA Awards – Rider of the Year 受賞
  • 2025年: Red Bull Megaloop 優勝
  • 2025年: GKA Big Air World Champion
最新の大会結果を表示(ネタバレ注意)
  • 2025年: Red Bull King of the Air 優勝(弟レオナルドとの兄弟ファイナル)
  • 2026年: GKA Big Air Mykonos 準優勝
  • 2026年: Cold Hawaii Big Air 準優勝

検索用エイリアス: Lorenzo Casati, LorenzoCasati

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